ここでは、整式の加法と減法について説明します。
整式の加法と減法
上の例を見れば分かる通り、整式どうしを足したり引いたりすることは同類項をまとめることと同じです。逆に言うと、同類項をまとめることが完璧にできる人はすでに整式の足し算・引き算をマスターしています。「同類項をまとめるのってどうやるんだっけ?」という人はこちらを見て復習してください。
複雑な足し引き
複雑な足し算・引き算をする場合は、闇雲に計算せず工夫して計算できないか考えてみましょう。
何か計算をしなければいけないときは、どうすれば楽に計算することができるかを常に考えながら計算するのが大事です。楽に計算するというのは、複雑な計算や面倒で不必要な計算をしないようにすることです。複雑な計算や無駄に多い計算は計算ミスを誘発します。楽に計算するということは計算ミスを減らすということであり、数学が得意になるための重要なステップです。
練習問題
整式の加法と減法について練習しましょう。
問題
解説
$$ \begin{align*} (1)\quad &\,A-B\\ =&\,(3a^3-4a^2b+8ab^2)-(-4a^3+7ab^2-6b^3)\\ =&\,\{3-(-4)\}a^3-4a^2b+(8-7)ab^2-(-6)b^3\\ =&\,7a^3-4a^2b+ab^2+6b^3 \end{align*} $$
$$ \begin{align*} (2)\quad &\,3A+2C\\ =&\,3(3a^3-4a^2b+8ab^2)+2(6a^2b-ab^2+5b^3)\\ =&\,(9a^3-12a^2b+24ab^2)+(12a^2b-2ab^2+10b^3)\\ =&\,9a^3+(-12+12)a^2b+(24-2)ab^2+10b^3\\ =&\,9a^3+22ab^2+10b^3 \end{align*} $$
(3)そのまま代入すると大変なので、計算したい式を整理してから代入しましょう。
$$ \begin{align*}&\,4\{2(A+2B)-3(B-C)\}+3(C-A)-5\{2(A+2B)+3(C-B)-A\}\\ =&\,4(2A+4B-3B+3C)+3C-3A-5(2A+4B+3C-3B-A)\\ =&\,4(2A+B+3C)+3C-3A-5(A+B+3C)\\ =&\,8A+4B+12C+3C-3A-5A-5B-15C\\ =&-B\\ =&-(-4a^3+7ab^2-6b^3)\\ =&\,4a^3-7ab^2+6b^3 \end{align*} $$
解答
$$ \begin{align*} (1)\;&7a^3-4a^2b+ab^2+6b^3\\ (2)\;&9a^3+22ab^2+10b^3\\ (3)\;&4a^3-7ab^2+6b^3 \end{align*} $$
補足
筆算で計算する
整式の足し算・引き算も整数と同じように筆算で計算することができます。例えば、\((3a^2b-2ab^2-b^3)-(5a^3+2ab^2-7b^3)\)であれば、次のようになります。
$$ \begin{array}{rrrrr} & & 3a^2b & -2ab^2 & -b^3 \\ -) & 5a^3 & & +2ab^2 & -7b^3 \\ \hline & -5a^3 & +3a^2b & -4ab^2 & +6b^3 \end{array} $$
同類項を縦に並べることで、スムーズに筆算することができます。